2008年07月18日

no reason

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ボディのこだわり

 今回ボディとして使用したブランドは、良質な素材と質の高い縫製によりインディーズブランドのデザイナー、アパレル関係者等から高い評価を得ており、今後が期待できる新興ブランドである。
 ボディはデザインを考える上での最重要ファクターである。パターンと生地の組み合わせによっては体が冴えなく見え、さらにはデザインまでも栄えなくなってしまうからこそ、パターンと生地のバランス感覚を体で慎重に見極めることが必要であると考える。
 だからこそ170heltzでは、シルエットと生地感を着て見て触って確かめた上で、無地でもファッション性が高いボディを厳選した。

タグのこだわり

 今回タグ作成を依頼した業者は繊維の産地福井県にあり、ネームタグを中心としたラベル生産に特化し、設立1971年以後息の長い事業を営んでいる。
 タグは肌に直接触れるものであるからこそ、カット後の端処理等細かい配慮が必要であると考える。
 だからこそ170heltzでは、ラベル生産に特化し技術力の蓄積、向上に励んでいる業者に生産を依頼した。

工場のこだわり

 今回プリントを依頼した業者は神奈川県にあり、一日8000枚の印刷数を誇り、国内でも数社程しか導入していないと言われる世界最先端のインクジェット機器を2008年5月に導入しフル稼働している。
 黒生地の上にインクジェットでプリントするには高度な技術が必要であり、白生地ならできる等多くの業者からいい返事が得られなかった。考えてみるとフォトTシャツは淡色のボディに網点プリントしている物が多く、濃色のボディの場合は転写プリントしている物がほとんどだ。
 できる業者が少ないということは、黒生地にインクジェットでプリントしたフォトTシャツはまだ世に多く出回っていないということになる。この案を実現できれば今まで自分が見かけることのなかった理想のフォトTシャツができるという確信があるからこそ、生産コストが高くなってもイメージ通りの物を作ることが必要であると考える。
 だからこそ170heltzでは、世界最先端の技術力を持っている業者に生産を依頼した。

デザイン誕生秘話(着想から完成までの話)

 作ろうと思ったきっかけは今までカッコいいと思えるフォトTシャツに出会ったことがなかったから。写っている被写体をカッコいいと思えないフォトばかりがそこら中のTシャツにプリントされている。名の知れたブランドのフォトにもセンスが感じられない。何のためにそのフォトを使ったのかもわからないし、見ていても面白くない。だから、自分が本当にカッコいいと思えるフォトTシャツを作ろうと思った。
 しかしここで問題となったのは、どんな理由から、どんなフォトを使うのか。理由もないまま、フォトも決まらずに時間だけが過ぎていく。そんなある日、一枚のフォトと出会う。バランス感覚、被写体の美しさに思わず目が留まった。これでフォトTシャツを作りたい。好きなものは好き、理由なんてない。なぜ、なぜ、と自問自答を続けて理屈ばかりにとらわれていたこともあり、余計にそう思った。
 使うフォトを決めてまず考えたのは、そのままプリントするだけでは面白くない、どうすれば面白いフォトになるかということ。まずフォトショップに画像を取り込み、様々な機能を使い実験を行う。このフォトの雰囲気が一番よく滲み出るように加工しよう。
 被写体の女性が見ている先は窓の外。少し寂しげに見えるが、よく観察すると口をキュっと結び、右眉毛が釣り上がって怪訝な顔にも見える。何か納得いかないことでもあったのだろうか。この帽子も立派な物であるし、パーティー後のフォトだろうか。とするときっとパーティーで何かあったのかもしれない。写真を解釈しようと頭が働く。
 写真は過去を切り取ったものである。過去に色は存在しない。なぜなら色は現在にしか存在しないからだ。そしてこのフォトは過去のものであり、過去の雰囲気を表現するならば色は必要ない。まず白黒に加工する。
 この切り取られた過去の女性がもし何かの出来事に思い巡らせているのだとしたらどうだろう。過去の女性が過去の出来事に思い巡らしている姿を私は目にしている。過去の頭の中の過去を見ようとすると、二重のタイムスリップをすることになる。記憶の鮮明さに欠けてイメージがザラついているようだ。過去の過去のザラついた雰囲気を出すために加工を繰り返す。
 しかし白と黒では色の変化が急すぎて画像が鮮明すぎる。記憶の曖昧さを考えると、画像をぼかす必要があると考え、白を灰に変えて画像を加工していく。
 画像が一通り出来上がる。何か物足りない気がする。しかしそれが何かわからないからしばらく放置して別の作業を進める。
 数日後、金太郎飴に着想を受け、同じ画像のコピーを5枚程重ね、ランダムに破っていく。破っても破っても同じ絵が出てくる。それはまるで自分の心のようだった。頭の中を切っても切っても出てくるのは170heltzのことばかり。しかし数日かけて加工するもプリントする際にイメージが変わるため案を撤回する。
 黒生地にプリントすることを眺めながら考えていると、そのままだとフォトがボディの中に沈んでしまうことに気付く。フォトに浮力を持たせるためにやや太めの黒枠を作り、黒の面積を増やす。全体のバランスを考えるとあと一工夫欲しい。
 このフォトをなぜ選んだかを思い出す。「好きだから。好きなものに理由なんてない。」そう、このフォトを使ったことに理由なんてない。直感的に惹かれる何かを感じたから。あれこれ理屈を並べるより、直感的に心の琴線に触れるものに理由なんて取って付けなくてもいいじゃないか。no reason
 また、今回は黒生地にインクジェットでプリントするという実験的な試みであったことから、生産枚数は少数に決めていた。そうすることで貴重性も高めたかった。limited edition
 そして全体が完成した。


長い文章となりましたが、興味を持ってここまで読んでくれたことに感謝致します。
 このTシャツが、あなたが心から好きな事に素直に向き合うきっかけになることを願っています。
 あなたの毎日が、理屈にとらわれないリラックスしたものになりますよう。

170heltz:デザイナー堀口祐輔

horio072 at 00:05コメント(0)170heltz  この記事をクリップ!

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代表者:堀口祐輔
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